焦りのために土地売却に失敗体験記
二十代の初めに、同じ職場の女性と結婚し、すぐに、少し不便な場所に中古の戸建て住宅を購入しました。現在、定年目前で、子供も育ちあがり、妻と二人暮らしです。住まいのある場所は、昔は不便な場所で、地価は驚くほど安かったので、若い時分に住宅購入できましたが、今は、歩ける所に鉄道の駅も出来て、周辺はとても栄えて賑やかな町で地価も高いです。しかし、仕事の方は順調とはいかず、長引く不況のせいで、勤め先の退職金が想定していたより低く、定年から年金を貰うまでの間をどう乗り切るか悩みどころです。そして、思いついたのが、現在の住まいを売却する事でした。不動産店を経営する知人に相談したところ、建物はお金になりませんが、家付き土地として、かなりの額で土地売却が可能との事でした。さっそく、売りに出したところ、直ぐに申し込みがありました。しかし、厳しい値段交渉を申し入れて来る上に、これから、銀行から借り入れするので、支払いには時間がかかると言ってきて、非常にやっかいでした。そんな時でした、もう一件申し込みがあり、こちらは、売り出し価格もそのままで、すぐに現金で支払可能とのことなので、渡りに船と、後から申し込んできた方に売却することに決めました。契約当日、不動産店で買主を待っていましたが、時間になっても現れません、不動産店の営業がやっとのことで買主に連絡を付けたところ、買主の父が急死し、土地代金の支払いも、その亡くなった方がする予定でしたが、資産は凍結されてしまったので、話は無かった事にして下さいと、電話を切ったそうです。私たちは、あわてて、初めに申し込んできた方に連絡しましたが、一方的に後から申し込んだ方に決めておいて、今更と話に取り合ってもらえませんでした。土地売却は失敗におわり、その時依頼、土地購入の申し込みは誰からもありません。